クラブ会費を高くしてよかった3つのこと

ハンドボールビジネスコンサルタント

牟田歩

クラブを立ち上げて始めようとした時に、まず悩むのは会費の設定ですよね?

私も随分悩みました!

そこで今回は会費を設定するときの考え方や決め方について解説したいと思います。

会費が安ければ入会者は増えると思う勘違い

先日、あるハンドボール教室の代表の方と話をしたときに、

「うちにメンバーが集まらないのは会費が高い(2,000円/月)からだと思うんです。もっと安く、チケット制みたいにすればもっと通いやすくなりますか?」

という相談をされました。

”会費を安くしないと入会者は増えないのではないか?”

と不安に思う人も多いと思います。

実際に私も起業前はそう考えていました。

私の失敗

「できるだけ安くして入会してもらう人を増やそう!」

と考えていた私は月謝制とは別にチケット制も用意しました。

チケット制とは参加するごとに参加費(前払いチケット)をお支払うというものです。

確かにチケット制にしたことで通いやすいと感じてもらい、チケット制の入会者の方は増えました。

しかし、しばらく経つと別の問題が起きました。

それは「簡単に休まれる」ということです。

「通いやすい」ということは、裏返すと「休んでもいい」ということです。

こちら側がそう思っていなくても、会員様側がそう捉えてしまいます。

実際に私のクラブでも、

「今日はお友達とお出かけするので休みしまーすw」

「レッスンあるの忘れてましたーw」

という感じで簡単に休まれることが度々ありました。

その結果、定員のため新規募集を締め切っているの運動教室で参加者1人だけなんてこともよくありました。

こちら側としてはしっかり準備してレッスンを行なっている、または新規をお断りしているにもかかわらずでとても残念で申し訳ない気持ちです。

また、月謝制で毎週楽しみに通ってくれている子・おうちの方との温度差もすごいありました。

そんな温度差があるのでは同じレッスンを受けていても成長度合いが違って当然です。

また、会費収入の面でも毎月安定して入ってくる月謝制と月によってバラバラなチケット制では、収益が安定しないため常に資金繰りで不安がありました。

安売りをやめました!

そこで私は思い切ってチケット制をやめることにしました。

また、月謝も運動教室、特にハンドボール教室としては異例の6,000円に設定しました。

すると、良いことがたくさんありました。

よかったこと①「本気で悩みを解決したい方たちが集まる」

ビジネスとは本来「人々の悩みを解決するもの」です。

そしてスポーツビジネスとは「スポーツという手段を用いて人々の悩みを解決するもの」です。

なので、高いお金を出してでも悩みを解決したいと本気で思った方々だけが集まってくるようになります。

すると、レッスンを集中して受けるようになり、当然成長度合いも早くなります。

そうしたら子どもも満足、子どもの満足そうな顔を見た親も満足、私も満足でみんなハッピーです。

そうなったら私との関係もよりよくなり、ファンとなってくれます。

するとクラブを長く続けてくださるようになり、キャンプや合宿などの高額商品を買ってくださるようになります。

するとクラブに利益が残り、新規集客のための広告費や新しいボールを買ったりすることができるようになります。

まさにwin-win-winな関係になります。

よかったこ②「会員様の満足度が上がる」

当然ですが、指導者で見切れるキャパシティというのはあります。

(教員時代は1人で40人みてましたが、物理的に不可能でした、、)

会費を高くしたことで数人の方はやめていきましたが、人数が減った分、レッスンの充実度が上がりました。

すると、自然と口コミも起きます。口コミが起きると、自然と集客ができます。

そこから集まった方達は月謝が高くなったところからご入会いただくので何の不満もないし、売り上げは自然と伸びます。

もし定員になった場合はキャンセル待ちになり、やめた方がいてもすぐに穴が埋まることになります。

よかったこ③「先を見通した運営ができる」

もしかしたらこれが一番大事なことかもしれません。

安定的に収益が見込めるようになるので、先を見通した運営ができます。

会場費やボール代の他、広告にも使えるようなるのでより集客を自動化させることができます。

また、精神衛生上も安定させることができます。

(正直、公務員の給料は毎月安定してたので、収益の浮き沈みがあると地味にシンドかったです)

価格を高くするために行なったたった一つのこ

ここまで読んでくださった方は「じゃあ、どうやって月謝を高くすればいいんだ?」と思っていると思います。

その答えは「価値を伝える」ことです。

私は「ハンドボール」を売っているのではありません。

ハンドボールを通じて得られる未来を売っています。

・運動が得意になって自信がつくこと

・楽しんでスポーツに取り組めること

・かけがえのない仲間ができること

それが「価値」となることを「伝え続ける」のです。

伝え方は

・保護者との会話

・レッスン中の声かけ

・ブログ、SNS

・お手紙、公式LINE

などなど、あらゆる場面でことあるごとにこちらの価値を伝え続けることを繰り返していくことで納得してもらいやすくなります。

(これが値上げ前に畳み掛けると少しいやらしくなるので気をつけてください)

実は私のクラブも4月からさらに値上げすることにいたしました。

会員さんも多少減るかもしれませんが、それ以上に売り上げが上がり利益が残る予定なので問題ありません。

この話を聞いてもなお、あなたが

「うちの場合は会費を高くすると体育館の優先利用ができなくなる」

「少年団だから仕方ない」

というのであれば、このままボランティア指導を続けるしかありません。

私は営利利用となってもいいようにきちんと利益が残るよう設計しています。

またよく民間のフットサルコートを利用していますがそれでもきちんと利益が残っています。

今後、部活動の地域移行の流れもあり、営利団体も非営利団体と同じ値段で体育館が使えるようになると思います。

その時にあなたはどうしますか?

このまま安い月謝でボランティア指導を続けますか?

それともきちんと価値を伝えて、真っ当な対価をいただきますか?

もし後者なら今からきちんと価値を伝えることが重要です。

ぜひきちんとハンドボールの価値を伝えていただけたら嬉しく思います!

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