ハンドボールビジネスコンサルタント
牟田歩
ハンドボールクラブの関係者の中には、
「ハンドボールを始めてほしいけど人が集まらない」
「どうやったらハンドボールを知ってもらえるのか分からない」
という方が多いのではないでしょうか?
そこで今回は特別に私のクラブで行っている方法を特別に公開いたします!
この記事を最後まで読んでくだされば、あなたのクラブでもすぐに実践できてより多くの子どもたちがハンドボールを始めてもらえるかもしれません!
是非最後まで読んでくださいね!
なぜ、ハンドボールを始めてもらえないのか?
とても単純で残酷な話ですが、ハンドボールはそもそもあまり知られていません。
愛知県は「ハンドボール王国」と呼ばれていますが、私が住んでいる地域では誰も知りませんでしたw
「ハンドボール?あの筋○番付で優勝した人がやっているやつでしょ?」
「中学校の部活にもないからやっても意味ないよねー」
と言われる有様でしたw
人間はそもそも知らないものや人のものを手に取ったり買ったりすることはあり得ません。
あなたも通りすがりの人から急に
「これ買ってください!」
と言われたら買いませんよね?恐怖すら感じると思います。
なので、まずはハンドボールというスポーツを知ってもらうことから始めなければいけません。
「試合で勝たせたい!」
「全国大会優勝したい!」
と考える前にまずはハンドボールを知ってもらう。
話はそれからです。
ハンドボールを知って始めてもらうための大前提
では、ハンドボールのことを全然知らない子たちにハンドボールを知ってもらって始めてもらうための方法をお伝えしていきます!
まずそもそもの大前提かつ、最重要なことをお伝えしますね。
それは
『ハンドボール』を教えない
ということです。
「え?どういうこと?こっちはハンドボールを始めてほしいんだけど?」
という心の声が聞こえてきそうですね、安心してください。
ご説明します。
みなさんは「ハンドボールを教える」と聞いた時にまず何をイメージしますか?
・パスキャッチ
・ジャンプシュート
・1対1
・速攻
・攻防練習
…etc.
ハンドボールを教えたいと思っているぐらいの方ですからご自身の競技力も高いので、この辺りをイメージされると思います。
しかし、イメージされたようなスキルや練習というのはハンドボールをやったことがある人にしか分かりません。
サッカーやバスケであれば
・シュート
・ドリブル
などはやったことがない人でもある程度イメージできるのですが、ハンドボールはやったことがある人も少なければ観たことがある人も少ないスポーツです。
なので、ハンドボールを知らない子どもにいきなりパスキャッチやジャンプシュートを教えたところで失敗ばかりでできなくて、子どもも嫌な気持ちに、指導者もイライラな気持ちになるのが関の山ですね。
実際、私もクラブを始めた当初はそんな失敗ばかりしまい、わざわざ体験に来てくれた子をみすみす逃してしまうということを繰り返してしまっていました。
私はそんな失敗経験の中から自分でハンドボールを知らない子にハンドボールを知って始めてもらう3ステップ導き出して実行しました。
それをお伝えしますね!
ハンドボールを知らない子に知って始めてもらう3ステップ
「ハンドボールを知らない子にハンドボールを知って始めてもらう3ステップ」は次のとおりです。
まず、誰をターゲットにするかがとても重要です。
最近は色々なスポーツの習い事があり、うちの地域では小学校1年生からサッカーやソフトボールなどを始める子がほとんどです。
そして、4年生ぐらいには本格的にチームに所属するか、もしくは学習塾に入るパターンです。
その隙間にハンドボールが入っていかなければいけないのですが、私のクラブの場合は小学校低学年、特に小学校1年生をメインターゲットにしています。
理由としては
・小学校1年生はこれからスポーツを始める、始めさせたい人が多いから
・4年生以降の本格的にスポーツを始める子たちはすでに何かのスポーツに取り組んでいるから
です。
「全国大会で勝つためには優秀な選手をサッカーやバスケから引っ張ってきて、、、」
と考えている人もいるかもしれませんが、それは妄想で終わる可能性が高いです。
そう考えるのではなく、これからスポーツを始める、始めさせたい人たちの選択肢の一つとしてハンドボールを入れてもらう、それぐらいの気持ちで良いと思います!
かけっこやボール運動を楽しく行う
次にハンドボールを知ってもらうためにハンドボールという競技を分解します。
よく、「ハンドボールは『走る』『跳ぶ』『投げる』という運動要素が入っていて、、、」みたいなフレーズを聞きますが、それぞれの運動要素であれば誰でも経験してます。
「走る」は普段の生活でもしてますし、「跳ぶ」「投げる」も遊びや体育の授業でもやっています。
であるならば、まずはそれらの運動要素を個別に行う練習や体験会を行えばいいのではないでしょうか?
例えばうちのクラブではよく「かけっこ教室」をやります。
すると、特に低学年(中には年中さん年長さん)の子どもがたくさんご参加くださいます。
また、「ボール運動教室」もよく行います。
最近では「バルシューレ」もありますが、やはり分かりづらく説明が必要なので、「ボール運動教室」というイメージしやすいネーミングの方がおすすめです。
ここでもボールが苦手な子たちが楽しくさまざまなボール運動やボールを使ったゲームに取り組みます。
そうやって少しずつハンドボールの要素を経験させていきます。
徐々にハンドボールにシフトしていく
これでようやくハンドボールを教えられる!と思ったら、まだ早いですよw
ハンドボールは「ゴール型球技」なので、コート内に味方や相手が入り乱れて攻守の切り替えも早く、状況判断をしながらのボールコントロールが必要でとても難易度が高いです。
そんな難易度が高いスポーツをいきなり教えるのはルールも覚えるのは大変だし、頭の中が混乱して終わってしまいます。
なので、ここでもハンドボールを分解して
・まずゴールにシュートする
・相手に邪魔されないで味方同士でパスを繋ぐ
・攻守の切り替え
などをゲーム要素をふんだんに取り入れて楽しく行います。
そしてそれに慣れてきたらハンドボールの試合をやってみる。
すると、いつの間にかハンドボールを好きになる、楽しいからやってみたい!という子どもたちが始めるようになります。
始めてからもこのように分解しての楽しく練習ができていれば自ずと上達してハンドボールを続けてくれるようになります。
このステップを行うために必要な大事なこと
いかがでしたか?
うちのクラブのやり方を包み隠さずお伝えしました!
では、これを聞いたあなたができるかといえば、実はそうでもありません。
このステップを行うためには
・子どもの心身の発育発達の理解
・ハンドボール以外のスポーツ理解
・スポーツが体へ及ぼす影響のメリット・デメリットの理解
…etc.
これらの知識、経験など多岐にわたります。
なぜなら、小学校低学年、特に小1ともなればまだまだスポーツにも馴染みのない子たちだからです。
その子たちの大切な「今」を預かるためには、最低限それだけの知識や経験をもたなければいけません。
その代わり、小学校低学年の子たちにハンドボールを知って始めてくれれば6年生まで、さらには中学高校と長い間続けてくれる可能性が高まります。
すると、その様子を見た子たちがやってみたいと体験に来てれくれたり始めてくれたりと好循環が生まれます。
私のクラブはまさにそのサイクルで、それでここまで継続してくることができました。
私は教員として15年間現場で会得したものやハンドボールの競技経験がなかったということがプラスに働いています。
つまり、
学校教育の知見 × ハンドボール未経験 × マーケティング
という強みがあったからこそ、このスタイルにたどり着いたのです。
指導者はとかく、大会の実績や優秀な選手の育成などの目に見えるもの、農業に例えれば「収穫」にこだわりますが、まずは「種まき」が大事なのではないでしょうか?
収穫するのはしっかりと種まきを続けて、それからです。
最後は育成論になってしまいましたが、皆様のハンドボールクラブが盛り上がることを期待してます。
もし、今回の記事でわからないことや質問がありましたら、下の問い合わせフォームからご連絡ください!
ご連絡お待ちしてます。
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